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2009/09/02

【映画】「サマーウォーズ」

「サマーウォーズ」様
(Key画)

出先の帰りがけに観て来ました。(映画の日)
気になって仕方なかったのですが時間も取れずで、
既に9月とサマーじゃなくなってしまいましたが(笑)

ものすごく面白かったです!
かなりのお勧めです。
できれば予告も何も触れずに、ノー情報で観られることも併せてお勧めします。

と、書いてますように、
私、事前に全く画像も見ず、情報も入れず、予告編すら触れずで
劇場でいきなり拝見したのですが・・・
「時をかける少女」面白かったですからね!あれも何回も観てます。
・・でも、時期的に劇場で観られず、大損して悔しい思いをしたので、
今回どうしても狙って(?)ました。細田監督の作品。
序でに知人が参加してますので、もうどうしても・・。

しかし、それにしてもホンが良かった。
今回も奥寺さんの脚本なんですよね。
古い話ですが、シナリオ大賞取ったときは期待の若き新鋭でしたのに・・(笑)
本当にもの凄い力つけられて・・絶賛です。

内容・展開が読めません。そしてどんどん進みます。
ベクトルが先へ先へ、という構成は、私は大好きです。
(作品内容によるので、そうとも限りませんが、
青春モノ、活劇モノについては特にこうでなければ、と思ってます)
オープニングからカッコイイ上にワクワクします。
考えうる最大限の範囲で上手くキャラや設定をまとめてます。
肝心のドラマや主題を、順繰りに巧みに紡ぎ合わせてます。
脚本としてやるべきこと、描き方は本当に素晴らしい出来です。
映画の「見せる」部分も、アニメーションという武器やCGを魅力的に生かし、
音楽も演出も申し分なく、盛り上がり度も高くて、言うことありません。

私は映画ファン的な鑑賞側の立場ではどちらかと言うと実写ドラマ派ですけれど、
書き手や作り手の目で、楽しい映画や面白い映画とは何か?と考えるとき、
「モンスターズインク」というアニメーション映画の脚本をよく引き合いに出します。
この映画は子供・ファミリー向け作品ですが、
こんなに緻密に、練って練って練り上げられた脚本は見たことがありません。
映画にはどうやって脚本を書いたのか計り知れない作品もありますが
(戦争ものやドキュメンタリータッチの作品など)
ゼロから起こすオリジナルの人物とドラマで、且つ、誰でも楽しめて、
展開に飽きさせず、笑いや動きや山場の連続があり、
そして主題が明らかになる、というモノを書くのは至難の技です。
「モンスターズインク」は創作された脚本として、そのいずれも落ち度がありません。

「サマーウォーズ」はこの「モンスターズインク」に勝るとも劣らない要素が
たくさん見られます。
前作「時をかける少女」同様、SFチックだったりファンタスティックだったりする、
その設定部分に疑問を抱かせない語り口が第一に巧いです。
「モンスターズ・・」でもそうですが、設定の説明の見せ方、時間の割き方は
非常にアタマを使う部分です。長いと飽きるし、ありきたりだとツマラナイ。
短い時間で、尚且つ、効果的に、そして人物に絡めて書かないといけない。
台詞やドラマの一部、画面の展開の中で効果的に、
そして、観客に理解しやすいように描かないといけない。
結局肝心なのは人間的なドラマ部分であって、主人公の心情や成長です。
世界設定だったり小道具やアクション自体が主役ではありませんから、
ダラダラした解説や説明に矛盾があったりしては本体が台無しになる可能性があります。
解説や入り口がすんなりいくと、その後の展開も絞りやすくなります。
主人公の心情を主眼に据えて、観客と一体になってドラマを進められます。

その辺が非常に難しいのですが、この作品は本当に見事でした。

絵や音楽、諸々の効果などなど、映画で面白い要素はいくらでもありますが、
実写もアニメーションも、映画の核は脚本です。
画面上に役者のいないアニメーションは、絵でキャラクターやその表情を
表現しないとならない分、労力がたいへんです。
CGにしても異様に時間のかかる制作作業は、そのスタッフの苦労を、
作品を膨らます方向、プラスに持っていかねばなりません。
実写での撮影作業もですが、作画作業が脚本の何ページ分の「消化」作業になっては
絶対にいい映画にならないと思います。
疑問のある脚本では、これら労力がムダになり、マイナスになってしまうのですね。
折角の映画に味付けるべきものが、白けてしまうだけ。
CGもそうですね。例え実写で現実と区別つかない特殊効果があっても、
観客はCGだけ観たいわけではない。
ドラマや展開の、肝心の部分の、何を補って、どう味つけして、足しているか。
CG部分にしても、アングルや見せ方も関係します。つまり演出ですね。

脚本の練り方、見せ方と演出、そういう部分が、
脚本家なり、監督の腕の見せ所です。
CGや音響や特殊効果、撮影でも何でも、担当される部署ごとに、
プロフェッショナルな「監督」が他にいます。
しかし、世界観やテーマや、一律描きたいことを、全体を通して、
一環して頭の中にイメージとして抱いているのは監督(と脚本家)です。
この両軸がぶれていたら、絶対に面白い映画にはなりません。
この映画はいずれも十二分に魅力を発揮し、引き出した映画でした。

こういう「巧い!」という作品を見ると、書きたくなりますね。
面白い映画を観ると、ウキウキワクワクもしますし、
こっちもやってやろう、という活力がどんどん湧いてきます。

イマイチな作品を観た時は、いい所を探しつつ一方で、
どこがいけないのか、自分ならどうするか、と考えますが。
こういう手放しで楽しめる作品は自己批評もうがった考察も、
それこそ勉強、なんて部分もありません。感謝するばかりです。
終わって思わず拍手してしまいました。
(劇場で拍手する人って見かけなくなりましたね・・以前は結構いたんですが・・
アニメーション映画のお客さんは大人しい風もあるからですかね?)

とにかく、ありがとうございました。


以下は蛇足ですが・・

批評としてネットなど一部に、何が言いたいのかわからない、とか、
テーマや展開が一環してないとか、CGやキャラがどうとか・・・と
そんな記事もちょっと見受けます。
感想は人それぞれですし、悪意のある非難でないなら結構ですけれど、
何となくそういう評論をや発言を見ていると、残念に思います。
作品でなく、その(記事を書いた)方が。
楽しみながら見ようと思う、面白いところを探そうとする、
どこか盗もうと思ったり、次の展開を考えたり、画面や音楽に聴き惚れたり、
そういう姿勢でいると、まず退屈することがありません。
よほど面白くない映画でしたら別ですが・・
でも、大概、見る前に値踏みし、選択している筈ですし・・。
期待が大きい、という場合もあるでしょうけれど。

私は「批評家」になろうと思わないですし、自分も書いてますので、
(映画もつくったことが何度もありますし(笑))
つくる身としての見方しかできませんので、わりと恐縮してる観客です(笑)
実際、誰しも自分一人の力では映画なんかできやしませんし。
評価して某かを記事にしよう、と常に身構えて観てもいませんので、
そういう意味では、ガッカリして文句を言う方より、ずっと得をしているのかも知れません。

そういう気持ちでいるからなのかはしかし別にして、
この映画はたいへん面白かったです。楽しく、そしていい映画でした。


明日からまた頑張って、自分の作品をつくります。

映画「サマーウォーズ」公式サイト
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