FC2ブログ
2010/06/15

【見つめる】展

1006kawaguchi_exhf.jpg もうだいぶ経ってしまって申し訳ないのですが、
 先月、川口アトリアの企画展「見つめる」を観に行き、
 諏訪敦先生らの作品を堪能して来ました。

 野田弘志先生も諏訪先生の作品も、
 細かく書くと長くなりますし、
 所詮文章では伝わらないものですが、ざっと・・

 拝見したかった諏訪先生の、
 舞踏家・大野一雄さんを描いた作品や、
 病室のお父様を描かれた作品は本当に息を呑みました。

 奇しくもこの展示が終わった翌6月1日、
 大野さんが長寿をまっとうされ、亡くなられました。
 ご冥福をお祈り致します。



川口アトリアは地域に密着した肩肘張らない美術館らしく、
駅から少し離れていますが、芝の綺麗な公園内に佇んでいます。
スタッフの方も親切で丁寧で、都心の美術館の構えた雰囲気とは異なりました。
私の伺ったとき、ちょうど高校生のグループが学芸員の方に説明を受けていました。
自主的な課題で訪れたのでしょうか、その際学芸員の方がわざわざ、
諏訪さんの作品をぼーっと眺めていた私に、声かけまでして頂きました。
途中の川口商店街がレトロチックでそちらも散策で楽しめます。


展示室は3箇所に分かれており、初めの展示室は大家・野田先生の作品。
奥の広間は大野廣子先生の大作がずらり。
野田先生は言うまでもありませんが、私には特に小さな鉛筆デッサンがひじょうに興味深かったです。
何人もの方が目を凝らして見てらっしゃいました。
大野先生は屋外で日本画を描かれている様子が写真でも紹介されていました。
岩絵の具がすぐ乾いてしまうなど・・大変な苦労が作品にも伺えます。
やっぱり大きな画家の仕事は凄まじい。


諏訪先生の作品は小松音響さんによるアンプ音源をBGMに若干薄暗い中での展示。
「Sleepers」(眠る人)と銘打った、眠りから死の床に臥す方までをモデルとした作品が主体でした。

見たくて仕方なかった諏訪さんのサイトにもあります「father」の現物を(やっと)見られました。
大野一雄さんもしかり、いずれも大きな作品でした。
更にまだ手を入れておられる最中と言う同じくお父様のデッサンからおこされた作品も素晴らしかった。
女性像は言うまでもありません。大小取り混ぜて、どれほどいても飽きませんでした。

音響も素敵でしたが、アンプもカッコイイことこの上なし。僅かに熱を帯びて光っていました。
音源は初めの内は鑑賞するこちら側には馴染まなかったのですが(音源自体は好きなものでしたが)
次第にそれが陶酔を呼び起こし、BGMを通り越して脳内のせせらぎに変わってました。

結局3時間くらいいたのかな・・殆ど諏訪さんの展示室から出ませんでした。
立ったり座ったり。
あまりに出て来ないからでしょう、途中で館員の方が訝しげに何度か覗きに来られました(笑)

絵ってそういうものでしょうけれど・・持って帰れるものなら持ち帰りたいのが本音。

何度か足を運ぶつもりでいたのですが、色々会期が重なり(講演会も重なって行けず)
その後も都合がつかず、歩いて行けるほどの近所でもないために残念ながら一度のみ・・
当日も夜更かし明けで半分眠いままでしたが、その分目に焼き付けようとして来ました。

たぶんこれほど長いこと絵を見て心中が満たされることってなかったんじゃないかと。
それを帰り道に気付かされました。駅と反対方向に歩いていたんですね、自分。
人の流れもあるので分かりそうなものですし、滅多に道に迷わない性分なのですが、
珍しく通りで人に道を聞いてしまいました。
いかに嬉々、且つ亡羊としていたか分かります(笑)

色々と時期が重なっていなければ毎日のように通ってしまったかも知れない作品展。
ただただ、涎垂ものでした・・

言葉も出てこず、その後思い出しても言葉に戻せずで、
結局以上、甚だ短い感想になってしまいましたけれど。
またどこかでお会いできると願って止みません。
[ART] -絵・アート-