2009/10/31
【アート月間】(4) 『YAJ ~ヤングアーティストジャパン~』


東京交通会館で31、11/1と開かれている
「YAJ ~ヤングアーティストジャパン~」に行って来ました。
色んなアーティストさんやスタッフの方と
沢山お話しさせて頂きました!
<開催中>
★東京デザイナーズウィーク2009 10/30~11/3
★TOKYO OCTOBER 10/30~11/3
*青参道アートフェア *ディレクターズアートフェア

ビル上階の催事場ですが、
土曜ということもあって
エレベーターに乗る方は皆さん12階行き。
ちょうど乗り合わせたスタッフの方に聞くと
「そんなに混んでませんよ」
というお話でしたが、
なかなかの盛況ぶり!
会場内は撮影禁止ということなので、
入口の写真だけですみません。
「Autumn Award」表彰を選ぶ入選作家から、通常の作家さんまで、
ところ狭しとブースでひしめき合っています。

絵画(アクリル・ペン・水墨・鉛筆)、
イラスト、版画(エッチング・シルク・切画)、
写真、インスタレーション、彫像(粘土・化学繊維・木)と、
先日のデザインフェスタではないですが、それは色々と・・
規模はDFに及びませんが、作品展示優先で、
雑貨や小物販売という雑多な感じは全くなく、
会場スペースも広く行き来しやすいので、
作品を集中して鑑賞しやすかったです。
作家さんもアピールや来賓応対のために
作品横に常駐しているので、
気になった作家さんともお話しやすいかったです。
(←見知った作家さん、います?)
(↑クリックするとブースと出展一覧が大きな画面で見られます)
私個人で最も面白かったのは写真の壱岐紀仁さん。
B全サイズくらいのパネルを3枚展示してらっしゃいましたが、
印刷されたその写真が、質感、タッチともまるで絵画風。
近くで見るとどう見ても描いたようにしか見えず、
「Photoshopですか?」(=絵画ですか?)という問い合わせを何度も受け、
その度に「いえ、写真です」と応えてらっしゃいました。
相当印刷に苦労されたようで、たいへん面白かったです。
他にもデジタル画やCG風の絵画、写真もありましたが、
この作品が色んな意味で興味深かったです。
デジタル時代にある写真と印刷技術を上手く武器に使い、
紙質や素材、写真と絵画風のマッチングを目指したコンセプト・・
写真トレースなどがPCソフトで手軽に誰でもできてしまう時代にあっては、
写真のような絵画や精巧な絵は最近却って若干食傷気味でもあります。
また、デジタル絵画(CG)はWEB上や仕事での引き合いはあっても、
印刷して展示してみるとギャラリー客にはいまひとつウケが良くない・・
(アニメCGは客層が違いますので、除外します(笑))
かつてヒロ・ヤマガタ氏やラッセン氏などのシルクやアイリス(ジクレ)の
版画・複製画が飛ぶように売れていましたが、
自宅でプリントアウトができるような今の時分になると、
そうした簡単な複製品には価値が少なくなってきます。
また、CGは作り手の手間の割りに、やはり市販の技術(ソフト)を介しているため、
どうしても作家個人の独力性が否定されがちです。
技術(技巧)品として考えた場合でも、
世間に繁茂している市販品と作風が似ていては、当然芸術価値が下がります。
―DFでお会いした、ある有名作家さんに似た作家さんの作品をここでもお見かけしましたが、
その手のCG作品って最近他でも見かけるんですよね・・とか・・・(後日別記します)
一方、複製についての技術は印刷も本物そっくり、
油彩ですら、絵の具の盛り上がりも似せることが可能です。
そういう技術との付き合いがまた変わってきている今、
作家がどういう風に自作のオリジナリティを表現していくか、
悩んだり考えるところではないかと思います。
他にも、見て回って、色んな作家さんと話したのですが、
価格設定が(売りたいせいなのでしょうが)安過ぎるように感じたり、
(いや、自分のが高過ぎるんじゃないかとも思ったり・・(笑;))
大きさもですが手間がかからな過ぎてないか?という作品もあったり・・
たとえ印刷であっても作家の中にあるものを表現して手を加え、一個の作品にする。
(これは海外の作家に比べて、昨今の日本の若いアーティストに欠けている点のように思えます)
また、オリジナルである場合、オリジナルゆえの独創性や非類似性、
一点ものとしての制作時間や価格設定など・・・
作品はやはり、一点ものであることも重要ですが、それが他といかに違うか。
本物そっくりの(人物や風景)絵画でも、何が違うか、
本物の作品(オリジナル)である一次価値と対価、複製としての二次価値。
オリジナルとは何か、アートしての価値とは何か、インスタレーション(展示)とは何か、
作家として何を望んでいるか・・・などなど、
広いようでも、熱気から狭くも感じる会場で、色んなことを考えさせられました。
果たして私も来年からご厄介になるかも知れませんので、余計な批評はこの辺で・・(笑)
その他に(私個人的に)面白かった作品を紹介させて頂きます―
● 壱岐紀仁さん ~前述の写真。映像もやれてたとは!
● あきこさん ~非常に淡い、繊細な鉛筆画です。コツコツ描かれた感じがいいです。
● 植田圭さん ~同じく極淡い鉛筆の動物画。日本風情あり哉!という感じで嬉しくなったり・・
● 宮崎 宏康さん (作品) ~木彫りの平仮名の木彫り!50文字作る前に飽きるかもと(笑)
● 渡部剛さん (作品) ~こういうの好きです!
● 堀貴雄さん ~アズラー面白かったです!(自分、似合わないので写真すみません・・(笑;))
● 山崎志乃さん ~鉛筆画もですが、Winのペイント画も味があります!
● 小田佑二さん ~絵画も良かったですが、漫画(笑)がナイスでした(笑)
長々話し込んでしまいました!ありがとうございました。
HPのリンクにある「DIG&BURY」プロジェクトで訪れたカンボジアの話が非常に興味深かったです。
長くなるので別記します!(笑)
他、TAGBOATのサイトで見つけた方で個人的にちょっと気になった方を覚書させて頂きます・・
*藤倉蒼さん ~ペン画
*そらみずほさん ~切画
それから、切画の方とお話させて頂いたんですが、お名前を失念しました。
色々質問に応えてくださってありがとうございました!
切画って毎回どこに行っても気になるんですよね・・
今度切画の方をまとめて紹介してみたいと思います。
【GALLERY TAGBOAT】には草間彌生氏や久里洋二氏、村上隆氏、奈良美智氏、山口晃氏に会田誠氏・・(ぇぇ
ウォーホールから(こないだ六本木で見た)ダミアン・ハーストまで販売してます・・
(名前だけ並べると恐ろしいギャラリーですね・・いや、複製もありますが・・(笑;))
お誘いくださったT氏に、この場で失礼ですが、改めてお礼申し上げます。
DFやほかのイベントでも色んなアーティストの方の名刺などを頂いているのですが、
いつも今回のように紹介しようと思っては日が経ってしまって・・
こちらも改めて気付いたときにさせて頂こうと思います。
今日はこの辺で!
★明日までやってます!

私は明日デザイナーズに戻り、午後~青参道に改めて顔を出そうと思っています。