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2006/10/19

【信念】 (映画レビュー/絵の幸せ)

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*今更ですが映画2本。終映間近で観て参りました。

『スーパーマン・リターンズ』
評判がすこぶる良かったので、やっぱり意を決して(?)
タイトルバックの音楽で胸が躍るのは旧作シリーズファンだからでしょうか。
冒頭の飛行機のシーンは凄かったですね。
CGならではの空想的な迫力。
アレだとまさに仮想的なスーパーマンが現実になります。
大体が超人的過ぎてバーチャルなヒーローなのですが、
それゆえにCGは彼にとってうってつけだったかもしれません。

おまけに観た劇場がアイマックスシアターです。
途中でメガネマークが出てきてそのシーンで3Dになるのですよ!
それがなかなかけっこううざったい迫力を倍増。
スーパーマンまさに画面から飛び出してました!

“ヒーローのいらない”と言われる現代に帰ってきた彼の苦悶・・
とかコピーがありましたが、
いや観ていて思ったんですが、どんなにハイテクで文明が進んでても
電気ないとやっぱダメじゃん!って考えさせられました。
そこへ颯爽と現れるスーパーマン!
まさに電化時代にこそふさわしいアナログヒーローです。
(CGですが)

帰ってきて知ったんですが、これ、「?(冒険篇)」の後の話なんですね。
つまりコンピューターと戦ったり核兵器廃絶したりする以前の話。
役者さんがみんな若くてなんだか妙な感じですが(笑)
それから、スーパーマンのパンツが少し短くなってませんか?!
あと、見てない人には申し訳ないのですが、
いやーやっぱアレってコスプレ(衣装)だったんだ~、なんてちょっと吃驚したり・・(笑)


とか言って、まぁ、実は見たかったところが描かれていなかったというか・・
目論んでいたところに突っ込み切れていないホン(脚本)だったのがちと残念な気が・・
(本当に必要なのは超人ではないのだということに悩むドラマという辺りですね)
ブライアン・シンガー監督(「ユージュアル・サスペクツ」「ゴールデンボーイ」)なので
かなり期待していた面があったんですが・・
まぁ、「X-MEN」とか「ネメシス STX」を考えるとエンタメ的大作演出になってしまうので
ドラマはあんな感じが限界かなぁ、とか色々・・

初体験の品川アイマックス(3D)だったから損得なしにしておきましょう(笑)


もひとつは『マイアミバイス』
これはもうどうしても観たくて観たくて仕方なくて、
時間が取れないまま終映に向かってしまうのを歯噛みする思いでいた作品。
『ヒート』を劇場に観に行けず、あの人間くさいドラマの上に、
クライマックスやラストの(空港の)音響を味わえなかったことを一体どれほど悔しがったか・・
『ラストオブモヒカン』『インサイダー』も併せて男くさい重さを描かせたら泣かせる逸品の監督。
銃撃戦シーンに定評があり、そのファンも多く、
リアル過ぎるアクションが演出を光らせている部分があるのも事実なんですが・・
私はあんまりそういうのはどっちでも・・(笑)

TVシリーズの「バイス」の良かったところは、
ただの単なるステレオ表面的な刑事「的」ドラマでなく、
潜入捜査や囮捜査といった刑事のイヤな面をドラマの骨格に持ってきたところ。
同じドン・ジョンソン主演の「ナッシュビル」と比べても、
ジョンソンのイヤらしさがハナにつかないのが「バイス」の演出の秀でたところでしょう。

理不尽な現場の駒、宿命的な“哀しい”刑事の側面はやはり今回もちゃんと描かれておりましたし、
ガン・アクションもさすがでございました。
(私は銃とか詳しくはないんですが)

しかし主役が思った以上に映画的にリアルなキャスティングだった(?)のか、
それともファンしか楽しめないのが分かりきっていた(?)のか、
個人的に期待した『ヒート』のような身震いするような緊迫感や高騰感はなかったなぁ・・・
ファン向けと言えば「バイス」のサントラにもフューチャーされている、
フィル・コリンズのテーマ曲がかかったのが「おお~」って感じでしたが・・・

しかし、ショットはいいですねぇ。相変わらず。
ホンットにいいカットばっかりでヨダレモノです・・。
(カットに唸ってるのも私くらいかなと思いますが、一々解説していられないのでやめます(笑))

でかい画面と音響で観られたからまあよしとしましょう、というところでしょうか(笑)

***

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Design Festa Gallery にてミニ展をやらせて頂いております。
お陰様で上々の反応です。
むしろ期待以上と言いますか、・・いや、
やはり自分の中で感じている通りのことかと・・・
密かに考えていることがそうしてカタチになるのがたいへん嬉しく思います。

来場頂いた方、鑑賞くださった方、そしてご購入くださった方、
また、サイトをご訪問くださった方、応援してくださっている方々、
ほんとうにありがとうございます。

そして、色々考えます。
やはり生の反応くらい嬉しいものはない。
それ以上の手応えはないです。

お仕事やWEB上での方のレスポンス、
また、知人や友人の言葉もたいへん参考になり意欲に繋がりますが、
見も知らぬ方や通りすがりの方の反応はそれ以上のものがあります。

そこにあるのは作品だけでしかない。
孤立し、晒されています。
ギャラリーを借りていることで、場としての知名度や集客率の助けもありますが、
しかし、作家にとってはそれ以外、何のバックアップもない。
ましてデザインフェスタギャラリーは他の作家さんも幾人もおられる、集合画廊です。

興味ある作品や作家を探したり、ギャラリーを検索して来られる方もさることながら、
ただふらりと入って来られただけの方もいらっしゃいます。
ギャラリーの性質と別に、作家の表現もそれぞれまちまちで日々異なり、
空間の演出は管理者から突き放されて作家に全て委ねられています。

私はアートとしての表現の仕方や完成度それ自体が作家の実力だとは思いませんが、
しかし、興味を惹きつけるか否かは、
そこに何が存在するか、であることは間違いないと思います。

某所で、別の件ですが
「非力であったりまるきり無意味な作品や作家にはレスポンスがないもの」だ、
と書きましたが、
それ以上にエネルギーや情熱は必ず何らかの表現性(アート)を生むと思っています。
ただ、創る、飾る、ではない、それ以上。
そして、エネルギーだけでない、それ以上の何か。

訴える力とは何か。
反応が返ってくるゆえんは何なのか。
(逆に反応のないものは何故なのか)

作品の価値は(制作にかけた)時間であったりもするでしょうし、
作家の技術的な力量であったり、また使った体力であったり、
発想であったり、アイディアであったり視点であったり。
もしかすると浪費した金額であったりするかも知れません。


それらがしかし、
ある一定のところよりも少なかったり欠けていたりしては駄目だとか、
そういう問題ではない気がします。
その一定の部分の線引きは不確かです。
逆に、プロである作家であっても、
知名度や仕事量や内容が必ずしもその一定に部分に達するかというと
それも一概には言えない気がします。
名前や仕事を伝えたからと言って、作品が反応を得るかというとそうではないでしょうし、
説明や宣伝や、またその宣伝媒体の力が作家の活動や実力に繋がっても、
作品についての評価と言い切れるかと言うとそうではないと思えます。

例えば、何も知らない、予備知識のない人たちの中に、
ある作品がぽーんと放り出されたとき、
それが振り向かれるかどうかは、作品にしか主張する術がない。
観る者と作品の一対一の対話に任されます。

それはたいへんシビアなものだと思います。

作家や作品が乱立する中で、
多少なりとは言え、立ち止まらせる力、唸らせる力、
果たして作品に対し観る者から感想なり引き出せる、
ましてお財布を紐解かせると言うのは、並大抵の主張では難しいと思います。

何者も介在しない、後押ししないただの空間を、
作家と作品によって引き立たせることは、想像もつかない力が必要ですが、
しかし作家にとってはそれしか対話の手段はなく、
そして作家にしか感じることのできない感激もあるのは間違いはありません。

何のレスポンスもない作品を自ら説明して回っても無駄だとさえ思います。
そこにあるのは作家の思い知らされた孤独な荒野があるだけ。
しかし、逆に砂漠とさえ思えた荒野が、訴えによっては潤しい森と化すこともあります。

では訴えとは何か・・。

私は信念だと思います。

作家が作品や自分自身に対して向けるシビアな目。
そこから導き出される作品への挑戦。
そして真摯でひたむきな努力。

それら全て、自分自身を信じて描き、生み出そうとする気力、
生み続けるだろうと信じる力。
そうしたものがあるとき、一定の部分を超えて、
生み出された作品は独りでに訴え始めるのだと思います。

もちろん、作家が予期しない反応もときにあるでしょうが。


ギャラリーのブースにて、案内状が日々減り続け、
ポストカードの代金を入れるポケットに幾日もお代が貯まり続けるのを見ると、
私は、
ああ、やっぱり自分の描こうとしているものや
生み出そうとしているもの、こうしてやってきていることは
決して間違っていなかったんだなぁ、と思い・・

意気揚々として・・
そして感謝と感激で・・
泣きそうになりながら、叫びそうになりながら――

家路にいつも着いています。


本当にありがとうございます。

改めて御礼を申し上げます。

***

061017


また、アチラでも書きましたが、
モデルを承諾してくださった方々にも、
この場にて改めてお礼申し上げさせて頂きます。

Design Festa Gallery の運営代表、またスタッフの方々にもお礼申し上げます。
BLOGにも取り上げてくださってありがとうございました。


(この話は続きがありますが(海外からのレスポンスについてなど)、また改めて書こうと思います。)


■Sin  筆者HP
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